新規登録
更新 : 作成 :

仮想通貨はなくなる?将来性と気をつけたい管理方法とは

マネーフォワードモール編集部


blockchain-3446557_640

仮想通貨は将来どうなるの?なくなることはあるの?ニュースを聞いても、こんな疑問を持つことがあると思います。

仮想通貨の代名詞であるビットコインでさえ2008年に誕生したばかりで、お札や硬貨のような実体もありません。そんな仮想通貨はどのように信用され、通貨として機能するのでしょうか。

また、仮想通貨がこの先も使えても、流出や盗難などで口座からなくなる危険性もあります。仮想通貨はどう保管すればいいのでしょうか。

この記事では、仮想通貨の今後の課題と政府の対応、仮想通貨が通貨としてこれからも信用される仕組み、将来のリスクに向けた仮想通貨の保管について解説します。

仮想通貨の将来性を国際社会はどう捉えている?

bitcoin-2902690_640

ビットコインをはじめとする仮想通貨の多くが2017年末にかけて価格が急上昇し、「仮想通貨バブル」として話題となりました。2017年はじめに1BTC=10万円程度であったビットコインの価格が、2017年末には1BTC=200万円を超えることもありました。(BTCとはビットコインの数量を表す単位です。)

このような価格の変動に乗じて利益を得ようと、世界中の人が仮想通貨に投資をし始めました。特に、仮想通貨の価格がまだ低い時期に買っていた人は、その後の急激な価格上昇で多額の利益を得ました。

1億円を超える利益を得た人は「億り人」とも呼ばれ、話題になりました。その後、価格が落ち着いた状態が続きましたが、2017年は仮想通貨が広く普及する時期となりました。

この世界的な仮想通貨ブームを受け、2018年3月にアルゼンチンでおこなわれた、世界経済の安定と成長をはかる国際会議であるG20財務大臣・中央銀行総裁会議にて、初めて仮想通貨が議題に取り上げられました。どの国や企業にも属さない仮想通貨を国際社会としてどう捉えるか、世界の注目が集まりました。

発表された声明では、熱狂的な盛り上がりを見せた仮想通貨に対し、慎重な視点が見られました。まず、仮想通貨は投機対象になりがちで、通貨しての特性を欠いているとして、「暗号資産」が名称として使われました。※この記事では分かりやすくするため「仮想通貨」を用います。

日本政府も国際社会に合わせて、「暗号資産」を使うことを法案に盛り込んでおり、名称が変わることで様々な影響が懸念されています。

また、会議で発表された声明の中で、仮想通貨は次のように述べられています。

我々は、暗号資産の基礎となる技術を含む技術革新が、金融システムの効率性と包摂性及びより広く経済を改善する可能性を有していることを認識する。しかしながら、暗号資産は実際、消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する。
引用:外務省 20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)
 

つまり、技術そのものの可能性は否定しないが、通貨として未熟な部分を解決しなければならないということです。

実際この会議では、国際基準を整え、仮想通貨とそのリスクを監視し続けることが決められました。

次に、声明で挙げられた消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税・マネーロンダリング・テロ資金源の3点を仮想通貨の将来性を決める要因として解説していきます。

特に、これらの課題に日本政府はどう取り組むのでしょうか。

要因1.消費者及び投資家保護

仮想通貨そのものが新しい技術であるため、投資、取引が活発におこなわれていても、消費者を保護する仕組みが追い付いていませんでした。実際に仮想通貨がなくなる事件として、大手取引所からの資金流出がありました。マウントゴックスを始めとする、複数の仮想通貨取引所で多額の資金が不正流出し、利用者は預けていた資金を引き出せなくなりました。

被害の大きい事件が続けて起きたことから、日本政府は消費者保護の法整備を急いで進めました。現状、日本は世界の中でも特に仮想通貨の規制が厳しいと言われています。

証券取引では、証券会社が破たんしても顧客に返済できるよう、顧客の資産は会社の資産と分別して管理することが金融商品取引法(金商法)によって定められています。また、投資者保護基金によって、証券会社が返済できない損失を上限1,000万円まで補償する制度があります。

しかし、仮想通貨取引に同様の法律、制度は設けられていなかったため、倒産した取引所から顧客の資金が戻らなくなってしまったのです。

この一連の事件を受け、金融庁は消費者保護に力を入れました。

資金決済法などを改正し、仮想通貨の交換業者に以下のような義務を課しました。

1.仮想通貨業者の登録制
2.利用者へ適切に情報提供
3.利用者の資産を分別管理すること
4.利用者に本人確認をさせること

参照:政府広報オンライン

また、証券取引などが対象であった金商法で、仮想通貨にも規制をかけることが金融庁による「仮想通貨交換業等に関する研究会」で提案されています。金商法の適用で、虚偽の情報を拡散することや相場を意図的に操作することなどの不正行為が明確に示され、禁止されることになります。

規制がかかることで、イノベーションが起きにくくなる恐れもありますが、より安全に消費者が取引できるために、今後制度が整えられることが期待されます。

要因2.市場の健全性

市場の健全性とは、売り手と買い手が安心して取引できることにあります。その中で課題となるのが、仮想通貨のボラティリティ(価格変動率)の大きさです。仮想通貨の制度が今後整備され、今まで手を出さなかった人も仮想通貨を購入するようになれば、市場もより安定したものになることが期待されます。

2017年末の過剰な価格上昇で起きたバブルは誰にもコントロールできませんでした。法定通貨の為替相場は一般的には中央銀行の施策によって調整されますが、仮想通貨の発行にはどの国も関わっていません。そもそも実体のない仮想通貨になぜ価値が生まれ、さらに価格が変動するのでしょうか。いくつかの要素を説明していきます。

■需要と発行上限で価値が決められる

需要と供給のバランスは価格を調整する基本的な要因です。仮想通貨は現状、買いたい人、売りたい人がいるために、価値が見出され、価格が変わっていきます。

しかし、通貨を発行し続けるとどうなるでしょうか。市場が飽和し、通貨の希少性が下がってしまいます。

それを調整する役割が中央銀行ですが、実際に通貨を作り過ぎた国がジンバブエです。政府が好きなだけジンバブエドルを発行したために通貨の価値が下落し、なにを買うにも大量のジンバブエドルが必要になりました。

では、管理主体のないビットコインなどは価値をどう調整しているのでしょうか。実は、ビットコインは発行上限が決まっています。

また、新規発行されるスピードは徐々に下がるので、通貨の希少価値を保つことができます。たとえ発行上限に達しても利用者同士で売買できますが、ビットコインが無限に増え続け、価値が下がり続けることはありません。価格の変動は売りたい人と買いたい人のバランスによって生まれます。仮想通貨は法定通貨よりも売り買いする人が少ないため、少しの動きで価格が変わりやすいのです。

■将来への期待で価格が上がりやすく

仮想通貨の価格が上がる理由に将来性への期待があります。作られたばかりの新しい仮想通貨であっても、実用化に向けた大企業との提携や取引所への上場(取扱い)などの情報があれば、将来的に多くの人が利用することが考えられます。仮想通貨はつくることもできます。仮想通貨の作り方も紹介しています。

その将来性が見込まれると、多くの人が購入し、価格が上昇します。ビットコイン以外の仮想通貨であるアルトコインは2,000種類ほどあるといわれています。ビットコインとは別に新たな仮想通貨が誕生しているのは、それぞれビットコインにはない将来性を掲げているからです。

■法整備で価格が変動

仮想通貨が今後政府によって認められることも価格が上がる要因となりえます。一部の国では仮想通貨が禁止されています。その禁止が解除され、需要が増えることも考えられます。また、日本のように本格的な仮想通貨利用のための制度が作られると、市場全体が活性化します。仮想通貨は発行主体がないものの、間接的には政府の法整備に左右されます。

逆に、仮想通貨を規制するような政策が出されると、価格が下がる可能性があります。一方で、仮想通貨は価格の上下が激しすぎるため、歯止めがかからないことが問題とされています。G20でも市場の健全性が懸念材料と挙げられたのは、仮想通貨バブルをコントロールすることができてなかったからです。

仮想通貨市場はどうなれば健全と言えるのか?

仮想通貨の価格が変動する理由が分かったところで、本題に戻りましょう。

健全な市場のためにはなにが必要でしょうか。

金融庁では、先述した改正資金決済法による消費者の保護はもちろん、規制の主な対象として証拠金取引を検討しています。証拠金取引を使うことで、手持ちの金額より大きな額の利益を得る可能性と同時に、自己負担の範囲を越えた負債もありえます。

仮想通貨のボラティリティが法定通貨よりも大きいことから、この倍率が適切な値に設定することが求められています。各個人が負担できる範囲に取引額を抑えることで、利用者を保護しつつ、市場の過剰なボラティリティを落ち着かせる狙いがあります。

要因3.脱税・マネーロンダリング・テロ資金対策

G20で懸念されていた脱税、マネーロンダリング、テロ資金源の防止について日本政府はもちろん、世界各国が仮想通貨を利用した犯罪に国際的な規制をかけることを模索しています。

声明では、より細かい規制の制定を金融活動作業部会(FATF)に要請したことを示しています。FATFとはマネーロンダリング対策やテロ資金対策などを推進する政府間機関です。FATFの草案では、仮想通貨業者を登録制にすることや各国規制当局が違反者に罰則を設けることが求められています。

仮想通貨の悪用が規制され、健全な金融技術として取引ができるようになれば、仮想通貨そのものへの信用が高まり、将来様々な場面で実用化されることが期待されます。

将来、仮想通貨そのものはなくならないのか?

bitcoin-3411456_640

ここまでG20で示された仮想通貨の課題と解決策について述べました。

しかし 、そもそも実体のない仮想通貨の価値がなくなることはないのでしょうか?

ただの数字の羅列である仮想通貨が価値をもつためには、人々が仮想通貨を信用する必要があります。法定通貨の価値は、発行する国の信頼性に依存していますが、ビットコインなどの仮想通貨には信頼性を担保する発行機関がありません。

しかし、価格が多少変動することがあっても、仮想通貨の代表であるビットコインは日々活発な取引がされています。ビットコインの信頼性はどこにあるのでしょうか。

1.ブロックチェーンにより改ざんされにくい

パソコン画面上の仮想通貨の金額に0を一桁つけて、自分の資金を増やす・・・。そんな数値の改ざんができない仕組みがブロックチェーンです。

ブロックチェーンとは、取引記録をひとつのサーバーで処理するのではなく、複数のユーザーが分散して管理や処理をする仕組みです。それらの特徴から、分散型取引台帳とも呼ばれています。

ビットコインのブロックチェーンには、初めて取引されてから現在まですべての取引記録がブロックにまとめられ、チェーンのように連続で記録されています。さらに、分散型であるため、すべてのユーザーが同じブロックチェーンを共有・監視することができます。つまり、ひとつの取引を改ざんすると、繋がっている他のブロックとの整合性が保てなくなってしまいます。今ある記録を変えるためには、そのチェーン上にある全ての取引記録から改ざんする必要があります。

さらに、約10分おきに新しくブロックがつくられるため、非常に高い処理能力が求められます。その労力の莫大さから、ブロックチェーンの改ざんは事実上不可能だと言われています。今までビットコインのブロックチェーンが改ざんされたことは一度もありません。

2.非中央集権的なため特定の国や団体に依存していない

ビットコインは特定の国や団体に依存していない非中央集権的な仕組みです。もし、1つの国や団体が運営元となり、ビットコインが開発されていれば、国や団体の考えによってビットコインそのものがなくなる可能性があります。しかし、ビットコインは日本円のように、発行母体がひとつに決められているわけではありません。マイナーと呼ばれるユーザーが取引データの承認をおこなうことにより、売買、送金などの取引が成立します。

どこかの国がビットコインを認めないと定めても、他の国の利用者はインターネットがある限り、利用し続けることができます。ジンバブエのように政府の指針で通貨の価値が簡単に上下することはありません。

そのため、国が発行する法定通貨(日本円など)に比べると、特定の組織の影響を受けにくい仕組みとなっています。

ここまで、ビットコインが価値(信頼性)を保っている理由をご紹介しました。

しかし、すべての仮想通貨がビットコインのような仕組みで成り立っているわけではありません。仮想通貨の中にはビットコインとは違い、特定の団体が開発しているものも多く存在します。そのような仮想通貨の場合、仮に運営元である団体が倒産したとなれば、仮想通貨自体も価値のないものとなってしまいます。倒産した会社の社債は紙切れとなるのと同じです。

そのため、投資する仮想通貨を選ぶ際には、その仮想通貨がどのような特徴や性質を持っているか、どのような技術で作られたかを充分に知ることが非常に重要だと言えます。

仮想通貨が口座からなくなるリスク

仮想通貨という概念そのものがなくなることはなくとも、ハッキングによって口座の仮想通貨を失う可能性は否定できません。

そこで次は、国内のハッキング被害の事例を紹介していきます。

仮想通貨が盗まれた事例

仮想通貨が盗まれた事例としては、Coincheck(コインチェック)の事例があります。

この事件は2018年1月に発生し、仮想通貨取引所Coincheckがハッキングされ、当時の時価で約580億円分の仮想通貨NEM(ネム)が盗まれました。事件の原因の1つとして考えられているのが、Coincheckが常にインターネットに繋がっている「ホットウォレット」で仮想通貨を保管していたことです。また、9月14日には仮想通貨取引所Zaif(ザイフ)もハッキング被害に遭っています。この事件を受け、仮想通貨交換業者に様々な義務が課されました。

まずは、ホットウォレットに保管していた顧客の資産を、後述するコールドウォレットで保管することが決められています。

将来に備えた仮想通貨の保管方法

blockchain-3747504_640

今後どんなハッキング技術が生まれ、仮想通貨を盗まれてしまうかは予想できません。被害に合わないようにするには、最低限利用者ができることをやるしかありません。ここでは主に4つのポイントを紹介します。

1.コールドウォレットで保管する

仮想通貨取引所も、仮想通貨の保管には細心の注意を払っていますが、多くの仮想通貨が集まる取引所は狙われやすいと言われています。より安全に仮想通貨を保管するためには、コールドウォレットにて自己管理をしたほうが良いかもしれません。

ウォレットとは、仮想通貨を保管することができる財布のようなものです。大きく「ホットウォレット」と「コールドウォレット」の2種類に分けることができます。「ホットウォレット」はインターネットに接続されているウォレットであり、外部から侵入される可能性があります。対して「コールドウォレット」は、インターネットからは切り離されたウォレットになります。インターネットからは切り離されているため、ハッキングされる可能性はかなり低くなります。ウォレットの種類は大きく分けるとコールドウォレットとホットウォレットに分けることができますが、さらに4種類ほどに分けることができます。

コールドウォレットに仮想通貨を保管する際は、完全に自己責任となりますので、仮想通貨を保有する額と自己管理におけるリスクを秤にかけて検討しましょう。(自己管理の場合、パスワードの紛失などから仮想通貨を失ってしまう可能性もあります。)

2.仮想通貨は分散させて管理する

仮想通貨は、分散して持つことが基本です。

利用する取引所や投資する仮想通貨を1つではなく複数にしておけば、万が一ハッキング被害や取引所が倒産した場合でも、すべての仮想通貨を失わなくて済む可能性が高まります。

3.二段階認証の設定を忘れずに

二段階認証を設定しておけば、ログインパスワードの他に認証コードが必要になります。二段階認証とは、取引所で設定するID・パスワード以外に手持ちの私用スマートフォンなどで、さらにパスコードなどを設定することです。

これらを設定することにより、最悪IDやパスワードが盗まれても、仮想通貨を不正に送金されるリスクを防ぐことができます。

4.同じパスワードやメールアドレスを使い回さない

仮想通貨を利用するにあたっては、パスワードやメールアドレスが必要になります。パスワードは、普段使っている仮想通貨取引所と別のサービスのものを使い回すことはおすすめできません。万が一、パスワードやメールアドレスが盗まれた場合に、仮想通貨を不正に送金される可能性があります。

そのため、パスワードやメールアドレスは複数用意し、使い回さないようにすることが大切です。取引所のセキュリティは金融庁により決められています。利用する取引所が必要なセキュリティの条件を満たしているかどうか、必ず確認しましょう。

仮想通貨先進国となれるか。

日本は仮想通貨が特に盛んに取引された国の一つでした。世界のビットコイン取引の約4割が日本円建てだったこともあります。しかし、その後の相次ぐ流出事件により、取引を辞めた人も多い中、政府は健全な仮想通貨取引に向けて動いてきました。2019年6月に日本が議長国となるG20首脳会議では、仮想通貨が議題に取り上げられる見通しです。仮想通貨の規制を進めてきた日本がどう国際社会に貢献できるかが注目されています。

仮想通貨の先進国となるべく、政府が様々な制度を整えることは、消費者が安心できる仮想通貨の利用に繋がるでしょう。

まとめ

今回は仮想通貨の将来性について解説しました。今後価格がどう変わるかはここでは予想できませんが、技術としてこれからも注目が集まるでしょう。実体のない仮想通貨をどのように扱うか、どの法律で規制するか、様々な課題を乗り越えるために、政府や事業者は動いています。

仮想通貨の取引を始めるときは、保管方法はもちろんのこと、どのような技術や特徴を持ち、どのような可能性のある仮想通貨なのかを詳しく知ることがとても大切です。

参考: 産経新聞FATF公式文書
「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第11回)議事次第