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仮想通貨のハードフォークとは?目的やメリット・デメリット紹介

マネーフォワードモール編集部


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ハードフォークとは難しそうな仮想通貨の専門用語ですが、その意味はもともと1つだったコインが分岐(分裂)し2つになることです。

しかし、仮想通貨が分岐し2つになると聞いてもどんなことなのかすぐには理解できないという人が多いかもしれません。

この記事では、ハードフォークの目的、ソフトフォークとの違い、メリット、デメリット、過去にあった事例と分けて初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

ハードフォークにはどんな目的がある?

ハードフォーク(仮想通貨の分岐・分裂)は何を目的にされているのでしょうか?基本的に仮想通貨のハードフォークは、仮想通貨をよりよりものに改善するためにおこなわれます。仮想通貨が分岐し2つになることはあくまで結果であり、目的ではありません。

ではどのような目的のためにハードフォークがおこなわれたことがあるのでしょう。

最初に、その目的として例を2つ見ていきましょう。

目的①スケーラビリティ問題の解決

1つ目の目的は「スケーラビリティ問題の解決」です。スケーラビリティ問題とは、簡単に説明すると仮想通貨の利用者が多くなったことで処理速度が遅くなる問題のことです。

処理速度が遅くなってしまうと取引処理にかかる時間が長くなり、スムーズに取引をおこなえなくなりますし、手数料が高くなることにもつながります。一般的に、利用者が多くなることは良いことと捉えられるかもしれますが、処理速度が遅いままではせっかく増えた利用者が将来的には離れてしまうかもしれません。

ハードフォークは仮想通貨の形式を大きく変えることができるため、処理速度を改善する有効な方法の一つとして考えられています。

目的②ハッキングの事後処理

2つ目は「ハッキングの事後処理」を目的としておこなわれるケースです。仮想通貨の根本となる技術であるブロックチェーン自体がハッキングの被害にあったことはありませんが、悪質なハッカーによってハッキングの被害を受けることがあります。

ハッキングされた一例として、2016年6月にはイーサリアムという仮想通貨プラットフォームから生まれたプロジェクト「The DAO」でハッキング事件が発生しました。通称「The DAO事件」と呼ばれていますが、ハッキングによって当時の価格で約65億円相当のイーサリアムが盗まれています。ここでイーサリアムの開発をおこなうコミュニティはハードフォークをおこなうことによって盗まれる前のブロックチェーン(取引記録)の状態に巻き戻しました。

ハードフォークとソフトフォークについて

ここまでは目的について説明してきましたが、同様に仮想通貨の改善を目的としておこなわれるものに「ソフトフォーク」と呼ばれるものがあります。

次に、ソフトフォークとハードフォークの違いを見ていきましょう。

ハードフォークについて

ハードフォークが実施されると、もともと1つの仮想通貨だったものが別々の価値を持った2種類のコインになります。例えば、ビットコインとビットコインキャッシュはもともと、ビットコインという同一の仮想通貨でしたが、ハードフォークによってビットコインキャッシュが誕生しました。

ビットコインは今までのブロックチェーン情報を引き継いだままで、ビットコインキャッシュは異なるブロックチェーン情報となりました。もともと一つだったブロックチェーン情報を書き換えることや機能が変わるため同一のブロックチェーン上には存在できず、互換性のないアップデートと言われたりもします。

ソフトフォークについて

ブロックチェーンの機能(スペック)を特定の部分から変更するハードフォークと異なり、ソフトフォークはブロックチェーン全体の機能を改善するアップデートです。ハードフォークがおこなわれるとブロックチェーン自体が2つに分かれるため2つの通貨が存在することになりますが、ソフトフォークでは一時的な分岐に留まり、最終的には1つの形式に収まることが特徴です。

そのため、ハードフォークは仮想通貨の大きな分かれ道と考えられますが、ソフトフォークはその後に与える影響は小さいものと考えられています。

ハードフォークの2つのメリット

分裂するハードフォークにはどんなメリットがあるのでしょうか?ハードフォークのメリットを2つに分けて見ていきましょう。

仮想通貨銘柄の機能が高くなる

1つ目のメリットとしてあげられることは、スケーラビリティ問題などのような既存の仮想通貨の抱えていた課題が解決されることです。スケーラビリティ問題は処理速度が遅くなることと解説しましたが、これを解決できれば性能が良くなることが予想されますし、仮想通貨の実利用が一般的となる可能性が広がります。

仮想通貨業界のことを考えると、流通量の多い仮想通貨の機能が改善されると実利用の可能性が広がりますし、実利用が仮におこなわれると仮想通貨自体の価格が上がる可能性もあります。

新しい仮想通貨がもらえるかもしれない

2つ目のメリットは、新しく発行された仮想通貨を付与される可能性があることです。ハードフォークが実施され、新たに仮想通貨が誕生しても流通量が少なく、利用する人がいなければ機能改善をおこなう意味があまりありません。

だからこそ、分裂して生まれた仮想通貨の基となる仮想通貨を保有している人へ、同数の新しい仮想通貨を付与するというプロモーションがおこなわれることがあります。

ハードフォークによって新しく生まれた仮想通貨の価値は低いことが一般的ですが、基となる仮想通貨を保有している人は実質無料で新しい仮想通貨を得ることができるため、利用者にとってはメリットと考えられます。(仮想通貨を保有するウォレットを管理する仮想通貨取引所によって、新通貨付与の対応は異なります。)

ハードフォークの3つのデメリット

ハードフォークには問題を解決できる可能性があるものの、デメリットが無いわけではありません。ここから3つのデメリットを解説していきます。

分岐もとの仮想通貨の利便性が低下する可能性がある

ハードフォークでは古い形式から新しい形式に変わりますが、上で解説したように互換性はないためハードフォークが実施され、新しい通貨へマイナー(仮想通貨の取引処理や承認をおこなう人)が集中すると古い仮想通貨の価値が下がってしまうことがあります。

極論、古い形式の仮想通貨の取引処理や承認をおこなうマイナーがいなくなれば仮想通貨は非常に不便なものとなるからです。

また、ハードフォークの計画がすべて順調に行くわけではなく、送金などにおいてトラブルが生じる可能性もあります。

相場が急変するかもしれない

ハードフォークが実施されるタイミングの前後には、相場が急変する可能性があります。実際に、ビットコインがハードフォークの実施が計画されていた時期には価格が大きく変動したことがあります。

価格が変動する原因はいくつかありますが、一つには仮想通貨の信頼性が低下するという可能性があります。

ビットコインのように、特定の人や組織が管理しないこと(非中央集権)であることをメリットしている仮想通貨において、機能改善とはいえシステムが変えられてしまうことに信頼性が損なわれると考える人がいるようです。

そのため、もし自身が保有する仮想通貨でハードフォークがおこなわれる予定があるようなら、こまめに最新情報をチェックすることが大切です。

取引が停止される

取引所ではハードフォークで相場が急変することや予想外のトラブルを予想して取引が停止されることがあります。対象のコインの取引や送金は停止されるため、取引を予定している場合は早めに済ませておくことが大切かもしれません。

また、ある程度のエラーやトラブルが起きることも事前に想定しておくと良いかもしれません。

これまでにあったハードフォークの2つの事例

最後に、これまでにハードフォークにより新しい仮想通貨が生まれた事例を2つ紹介します。

事例①ビットコインとビットコインキャッシュ

仮想通貨の代名詞ともいえるビットコインは2017年8月1日にハードフォークをおこない、ビットコインキャッシュが新たに誕生しました。それぞれ名前が似ているため、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。この事例では、スケーラビリティ問題(処理速度が遅い問題)に対する解決方法は二つありました。

一つは、取引情報を処理するための能力(ブロックサイズ)を高めることで、この方法にはブロックチェーンの互換性がなく仮想通貨の分岐を起こすハードフォークでした。

もう一つは、処理能力はそのままに取引データを圧縮することで処理速度の解決をはかるソフトフォークでした。

二つの解決方法をめぐってビットコインの開発をおこなうコミュニティ内で対立が起こり、解決方法をそれぞれ採用した形となりました。つまり、ビットコインはソフトフォークをおこない、対立したグループがハードフォークをおこなったことで、ビットコインキャッシュが誕生しました。

事例②イーサリアムとイーサリアムクラシック

イーサリアムでは「The DAO事件」と呼ばれるハッキング被害の際にDAO事件の被害者を救済するためにも、被害を受けたという取引情報そのものをなかったことにするためにハードフォークが実施されました。

この事件ではイーサリアムの仕組み自体には問題がなかったことや、被害をなかったことにするハードフォークを中央集権的(特定の人や組織が管理する)な介入だと考えたコミュニティのメンバーたちは、元のイーサリアムの形式を利用し続けることにしました。

こうして、結果的にイーサリアムクラシックは誕生しました。

まとめ

仮想通貨のハードフォークについて解説してきました。現在、仮想通貨はたくさんの種類が存在していますが、ハードフォークは仮想通貨の種類に関わらず実施される可能性があります。

実施時には価格の変動を含め混乱が起こることが予想されるため、保有している仮想通貨で予定されている場合には最新情報をこまめにチェックしておきましょう。

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